愚痴スイッチ発動。
空腹は満たされた。
2人ともお腹がいっぱいになってご機嫌だ。
ずっと喋らないとこのまま眠ってしまいそうだ。食事をしながら交渉というのは理に適っている気がする。同じ釜の飯を食うという諺通りか。
ところがだった。何がきっかけかハッキリとはわからない。彼女のご機嫌を一転するスイッチを発動させてしまったようだ。
「最近どこか行かれました?」
「母と買い物に行きました。」
よくよく聞くと、買い物の時に母親と意見が合わなかったようだ。詳しい内容は覚えていないが色がどうのこうのと言っていたと思う。
好みの色が合わなかったのだろう。自分にとってはわりとどうでもよい部類に入るのだが。
それが彼女にとってはどうでもよくないことだったようだ。この嫌な思い出を皮切りに、そういえばあの時は、そういえばあの時は。
といくつかの嫌なことエピソードが連想されて次々と吐き出される。色で表すなら暗黒色の言葉たちだ。
せっかくの満たされた気分もだんだんと崩されてくる。とはいえ、女性の愚痴を聞く男はモテる。という話を聞いたことがあるようなないような。。